【 はじめに/中国標準語(普通語)と台湾中国語(華語)の違い 】
- どちらも北京語がベースの共通言語として考えて良く、通訳や字幕なしでもコミュニケーション可能。
- 日本に当てはめると、標準語と大阪弁(あるいは名古屋弁)の違い程度か。
- ただし、文字の視覚的印象は簡体字(中国)と繁体字(台湾)で大きく異なる
台湾の中国語。
どんな外国語も修得するには時間と努力(天才を除く)が不可欠だが、「中国語は世界的に最も難しい言語のうちの一つ」と言われている。
難しさの主要因は…
- ①表意文字である漢字が複雑かつ種類も多い事
- ②イントネーション(声)が多い事(4声)
にあると言うのが定説だが、①の漢字に関して日本人は特に学習しなくても『高確率で意味を推測出来たり音読み出来る』と言う、圧倒的なアドバンテージを持っている。
さらに、台湾の中国語と日本語の間で、①意味が共通、②発音や表記が極めて近い、③流入し合っているなど、一発で覚えられる単語や表現もかなりあるので、超初級者向けに筆者自身の備忘を兼ねて紹介していきたい。
【発音が(ほぼ)共通】
- 感謝(かんしゃー)
- 堪忍(かんにん)
- 可愛(かーあい)
- 水(しゅい)
- 大丈夫(だいじょうぶ)
- *中国語本来の発音:ダァーヂァンフゥー
- 甘不辣/天麩羅(てぃえんぷーら):甘不辣は魚のすり身の揚げ物で、天麩羅は小麦粉の衣を付けた揚げ物
- 電話(でぃぇんわー)
- 満開(まんかい)
- 麵/麵(みぃぇん)
【日本語が台湾中国語として定着した例】
- *日本の統治時代(日治時代)(1895~1945)、日本語教育が行われた影響が大きい
- あっさり:「簡単に」とか「順調」にという意味合いで使われている
- *日本側で意味が変化している可能性が高い
- アタマコンコンクリ:頭が硬くて、融通が利かないことや人
- *台湾でも死語化している
- いぢばん(一級棒):一番(良い)のこと
- *親指を立てながら言うのが定番
- うーまい(唔邁):美味なこと
- うんちゃん(運將):タクシーの運転手
- おじさん(欧吉桑):年配の男性を指す言葉で、否定的な意味合いはない模様
- オートバイ(歐兜賣)
- おばさん(欧巴桑):年配の女性を指す言葉で、否定的な意味合いはない模様
- おれん(黒輪):魚のすり身を揚げた物
- *台湾語の発音か?
- *色的にはイワシの魚肉を使った『つみれ』に近いか?
- *日本の『おでん』により近い『関東煮(グァンドンヂュ)もポピュラーで、コンビニの定番フード。
- しゃーしーめい(沙西米):刺身
- *『魚片(ゆーぴぃえん)』の方が普通
- ○○さん/○○桑
- しーあーげー:仕上げの事(らしい)
- じーぐーらー(吉古拉) : ちくわ/ 竹輪
- だいじょうぶー/大丈夫
- *実際は大丈夫でないことも多い
- ちょとまて/ちょとまてくらさい:そのままの意味
- の:平仮名の『の』が『的』の置き換えとして、そのまま使われる
- <実例>陳の店、優の良品
- *『味の素』の影響が大きいか
- *『乃(ナァィ)』も同じ形でかなり使われる
- ハイカラ:男性の髪形で、『(整髪料を使って)撫でつけた七三分け』
- べんとう/べんとん/弁当
- *弁當(ビェンタン)と併用される
- わさび:ワサビ、山葵
【中国語の発音が覚えやすい例】
- おーしーりー(臥室裡):『寝室内』のこと
- かーちゃん(課長):日本語とほぼ同じ
- かんでんしー(看電視):テレビを観ること
- ぐーちゃあ(骨折):骨折/骨折する
- <覚え方>グチャグチャに骨折した
- しょんべん(熊本):熊本(県、市)
- しょんべんしょん(熊本熊) :くまモン
- *中国語での正式名は音に合わせた『酷MA萌(くまもん)』だが、全く定着しなかった!
- しんだ(新的):新しい
- <用例>新的烘爐(しんだかおる)=新しいコンロ
- ちょうちん(酒精):アルコール
- てぃんぷとん/かんぷとん(聴不懂/看聴不懂):聞いても分からない/見ても分からない
- *『チンプンカンプン(当て字:珍紛漢紛/珍糞漢糞/陳奮翰奮)』はこれに由来するという説がある
- とうちゃん(豆漿):豆乳
- ばんちょう(棒球):野球
- ばんちょうちゃん(棒球場):野球場
- ぱんつー/ぱんづー(盤子):皿のこと
- びぃちょー(啤酒):ビールのこと
- <使用例>汗かいた、びぃちょーびぃちょー!
- ベイ(貝):
- <覚え方>ベイゴマ(貝独楽)のベイ(貝)
- *バイ(貝)→バイガイ(貝貝)→バイガイをコマ(独楽)遊びに使用→ベイゴマ/ベーゴマ
- ぶーちゃん(部長):日本の部長とほぼ同じ意味
- ようかん(要看):見てみる、確かめてみる
- ようちゅう/ようちゅい(要去):「~へ行かなければならない」の意
- りょうちゃん(柳橙):オレンジ
- ローソン:肉鬆。豚肉を原材料とした中華式そぼろで、『肉でんぶ』と訳される事が多い。
【他国語(日本語以外)を連想させる例】
- ゴウ/ゴー(過):渡る、通過する
- <覚え方>英語の『GO/ゴー』を連想する
- シィェ/シィェズー(鞋/鞋子):靴/ブーツ
- <覚え方>英語の『シュー(ズ)』を連想する
- びーる(壁爐):壁に据え付けられた暖炉
- ロースチーズ(螺絲起子):ネジ回し/ドライバ
【麻雀用語】
- ほぼ全てが中国語で、発音も大部分が中国語のまま。
- ここでは『麻雀をやらない人でも耳にした事がある』と思われるレベルのものだけを抜粋
- 数字:イー(一)、(*1)リャン(両)、サン(三)、スー(四)、ウー(五)、ロー/リョウ(六)、チー(七)、パー(八)、(*2)チュー/チョウ(九)
- (*1) 通常はアー(二)だが、金額(二から始まる場合)や個数を表す時は、リャン(兩)が使われる
- (*2)『チョウ』の方が台湾での発音に近い
- チー(吃):食べる
- ツモ(自摸)る:自分の物にする
- パイ(牌):札、看板、ゲームの駒など
- ポン(碰):ぶつかる/出くわす
- リーチ(立直):倒れている物を起こす/立て直す
- ロン(栄):盛んになる
- *本来の漢字は『攏』で、揃えるという意味
【まとめ】
- 優れた語学教材は沢山あるが、超初級向けにこう言うアプローチの物があっても面白いかも
- 麻雀をやる人は、自然と中国語に親しんでいる事になる
- 筆者の備忘を兼ねて、気付いたら随時更新予定
2024/5/19 改訂(14回目)
2022/2/4 初出
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