中国三千年~五千年。
説によって、その歴史の長さにはかなりの開きがあるが、日本の文明や文化における基礎部分の大方は中国経由で導入されれた事に疑いの余地はない。
そのような経緯から、歴代の国名、王朝名、地域名等を含んだ言葉が現代日本でも使われているので、まとめてみたい。
<表示順>①ほぼ国家・王朝・地域の成立順 ②同時代の場合は訓読みでの五十音順
<除外>人名、地名、施設名
<除外>人名、地名、施設名
【楚(そ)】
- 四面楚歌(しめんそか)
【秦(しん)】
- 支那そば(しなそば):ほとんどの場合『ラーメン』に言い換えられている
- *ラーメンの原語は漢字の『拉麺』すなわち『引き延ばした麵』なので、刃物で細く切る麵をラーメンと呼ぶことは、厳密に言うと誤用。
- シナチク/支那竹:ラーメンの具、メンマ(麺麻)と呼ばれる事も多い
- チャイナ/China:国名
- チャイナ/china:陶器
- *英語の語頭は小文字
- チノパン/チノ・パンツ:衣類
- *諸説あるが、China由来説が有力
- 東シナ海(ひがししなかい):海/海域
【胡(こ)】
- 胡弓(こきゅう):弦楽器
- 二胡(にこ):弦楽器
- 胡瓜(きゅうり)
- 胡桃(くるみ)
- 胡椒(こしょう)
- 胡麻(ごま)
- 胡坐(あぐら)
- 胡散(うさん):覚醒作用がある香辛料
- 胡蝶(こちょう)
- 胡粉(ごふん):白い顔料
【漢(かん)】
- 漢音(かんおん):複数ある漢字の音読みのひとつ
- 漢学(かんがく)
- 漢詩(かんし)
- 漢字(かんじ)
- 漢文(かんぶん)
- 漢方(かんぽう)
- 漢訳(かんやく)
【呉(ご)】
- 呉越同舟(ごえつどうしゅう)
- 呉音(ごおん):複数ある漢字の音読みのひとつ
- 呉服(ごふく)
【蜀(しょく)】
- 玉蜀黍(とうもろこし)
- 蜀黍(もろこし):高黍/コーリャンの異称
- *唐黍とも表記される
【唐(とう)】
- 唐揚げ(からあげ)
- 唐傘(からかさ)
- 唐金/唐銅(からかね):銅と錫の合金(青銅/ブロンズ)の異称
- 唐紙(からかみ)
- 唐草模様(からくさもよう)
- 唐紅(からくれない)
- 唐衣(からごろも)
- 唐竿(からさお):脱穀用の農機具
- 唐獅子牡丹(からじしぼたん)
- カラスミ/唐墨(からすみ)
- カラタケ/唐竹:マダケ(真竹)の異称
- 唐松(からまつ)
- 唐物(からもの)
- <用例>唐物茶入、唐物茶碗、唐物屋
- 唐音(とうおん):複数ある漢字の音読みのひとつ
- 唐楓(とうかえで):街路樹としてポピュラー(らしい)
- 唐辛子/獅子唐辛子(とうがらし/ししとうがらし)
- 唐黍(とうきび):トウモロコシ
- *『もろこし』と読む場合は『高黍/コーリャン』の意味になる
- 唐人屋敷(とうじんやしき)
- トウチク/唐竹:中国原産の竹で、造園用としては『大名竹』と呼ばれている(らしい)
- × 唐突(とうとつ)
- 唐茄子/トウナス:カボチャの別名
- 唐変木(とうへんぼく)
- 唐唐土(とうもろこし)
- 唐黍(もろこし):高黍/コーリャンの異称
- *蜀黍とも表記される
- 『とうきび』と読む場合は『トウモロコシ(コーン)』の意味になる
【契丹(きったん/キタイ)】
- キャセイパシフィック航空
- *『キャセイ(Cathay)』の部分が『契丹』由来
- *ただし、『キャセイ(Cathay)』部分の漢字表記は『國泰』
【宋(そう)】
- 宋(そうおん):複数ある漢字の音読みのひとつ
【明(みん)】
- 明銭/明朝銭(みんせん/みんちょうせん):室町時代に日本に輸入され流通した貨幣
- 明朝体(みんちょうたい):文字のフォント
【中華民国 および 中華人民共和国】
- 中華街(ちゅうかがい)
- 中華鍋/包丁(ちゅうかなべ/ぼうちょう)
- 中華料理(ちゅうかりょうり)
- 中華丼(ちゅうかどん)
- 中華まん(ちゅうかまん)/中華饅頭(ちゅうかまんじゅう)
- 冷やし中華(ひやしちゅうか)
【まとめ】
- 『胡と唐』が多いが、長期間にわたり高価な伝来・舶来した品々が、先端文化として珍重されていた事が推測される
- 究極は<唐>が2つ重なった表記の『唐唐土(とうもろこし)』か
2024/11/15 改訂(14回目)
2022/12/25 初出