【 始めに(おことわり)】
中国内、日本内、いずれの国の中でも地域により言葉の意味には差異や変化があります
漢字で書かれた中国語。
漢字の大部分は中国から日本へ直接入ってきたものなので、日本語を母語とする人であれば高い割合でその意味を理解もしくは推測することが可能だが、見た目は同じでも日本で意味が大きく変貌(歪曲)して、『和製中国語/Japansese Chinese(*筆者造語)』と化している例もあるのでまとめてみたい。
略称表示:【中】=中国語 【日】=日本語
表示順:日本語読みでの五十音順
【簡体字と繁体字について】
- 簡体字(简体字):中国全体で使われる。本来の漢字を簡略化したもので、日本時から見ると一目では分からないものも多い。
- 繁体字(繁體字):香港や台湾などで使われる。本来の漢字だが、日本人には『旧字体』に見える。
ア行)
- 愛人(あいじん):【中】配偶者、妻(あるいは夫) ➡ 【日】不倫の相手
カ行)
- 可憐(かれん):【中】可哀想なこと ➡ 【日】可愛らしいこと
- 金玉(きんたま):【中】金銀と玉石/財宝➡ 【日】
- 経理(けいり):【中】管理職、マネージャー ➡ 【日】組織の会計担当者
- 喧嘩(けんか):【中】大声で話すこと ➡ 【日】言い争いや殴り合いをする事
サ行)
- 裁判/裁判員(さいばん/さいばんいん):【中】スポーツのレフェリー/アンパイア ➡ 【日】法廷で判決を下す人
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- 裁判休息室/台湾/2028年6月/筆者友人が撮影
タ行)
- 手紙(てがみ):【中】トイレットペーパー ➡ 【日】特定の相手に対して書かれた文書、特に封書
- 天狗(てんぐ):【中】天の犬/流星(凶兆) ➡ 【日】鼻が高く羽根を持った妖怪
ナ行)
- 人間(にんげん):【中】人の住む世界、世間 ➡ 【日】ヒト、人類
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- 人間美味便當(弁当)/2022年2月/ 台湾新北市
ハ行)
- 贔屓/ひいき:【中】亀に似た想像上の動物 ➡ 【日】特定の人に肩入れする事
- 羊/ヒツジ :【中】 山羊/ヤギ ➡ 【日】綿羊
- 勉強(べんきょう):【中】強制すること、無理に行わせること ➡ 【日】学習すること、買い物で値切りに応じる
マ行)
- 無料(むりょう):【中】具がトッピングなしの麺/スープ/デザートなど ➡ 【日】無償、タダ
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- デザート店の【無料】メニュー/台湾/澎湖県/
- 2025年/筆者友人が撮影
ヤ行)
- 湯(ゆ): 【中】スープ ➡ 【日】 温水、熱水、風呂、温泉
- 羊羹/ヨウカン : 【中】ヒツジ肉入りのとろみが付いたスープ ➡ 【日】小豆の寒天菓子
ラ行)
- 拉麺/ラーメン:【中】生地を引っ張って作る麺 ➡ 【日】生地を平らに伸ばしてから刃物で切断する麺
- *ただし、日本のラーメンは、中国内でも『日式拉麵』として一つのジャンルが確立されている
ワ行)
まとめ)
- 漢字の本場はあくまで中国であり、中日間における意味のギャップ(隔たり)に対する驚きや戸惑いは、日本人より中国人の方の方が大きいと思われる。
改訂 2025/7/16
初出 2025/7/13