【 ドラゴンボールとは】
Wikipediaの情報を抜粋
- 『ドラゴンボール』(DRAGON BALL)は鳥山明によって描かれた漫画作品で、連載終了後も年代やカルチャーの枠を超えて影響を与えている。
- 単行本の発行部数は1億6000万部以上、全世界累計で2億6000万部以上。
映画の失敗作。
別な記事でも取り上げている通り、映画は不確定要素を共同作業で積み重ねる形で作られる総合芸術であるため、失敗作が次々と生み出されてしまう現実に驚く要素はない。
むしろ、失敗する方が大多数で、ヒット作や名作の称号を得る作品の方が稀と言う方が正しいと言える。
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また、その中でも特に失敗率が高いのは『人気漫画の実写化』で、『ファンの持つキャラクターイメージと言うハードルを越えるためのキャスティング』と言う、マイナス地点からのスタートになる点にある事に間違いない。
いずれにしろ、その失敗が確定した場合、制作や宣伝に関わった当事者達は『この作品はなかったこと』にしたり『この作品に関しては口を閉ざす』展開になるのが普通である。
その中で、漫画の実写化における超大失敗映画として有名な 『ドラゴンボールエボレーション』の脚本家であるベン・ラムジー氏は自分の過ちについて全面的に認めると言う言う異例の対応を行っている。
筆者が読んだところ、その的確さと潔さが『反省文の金字塔』とも言える域に達していたので、英文和訳の勉強を兼ねて紹介したい。
【映画ドラゴンボールレボリューションの概要】
- 鳥山明の漫画『ドラゴンボール』を実写化した2009年公開(日米とも)のアメリカ映画。
原題は『DRAGONBALL EVOLUTION』で、エボリューションは”進化”の意。
制作費は4,500万ドル(約45億円)とされる。
【原作者、鳥山明氏のコメント】
- 「脚本があまりにも世界観や特徴をとらえておらず、ありきたりで面白いとは思えない内容だった。注意や変更案を提示しても、製作側は妙な自信があるようであまり聞き入れてもらえず、出来上がったのも案の定な出来のドラゴンボールとは言えないような映画だった」
【脚本家、ベン・ラムジー(Ben Ramsey)氏の反省文】
- *原文:インタビュー。後日WEB上に掲載。
- *日本語訳:筆者、原文:英語
- 映画 ドラゴンボールエボレーションの脚本家よりファンの皆様へ心よりお詫び申し上げます
- 私はこのような1日がやがてやってくるであろう事を知っていました。
- ドラゴンボールエボレーションは私の人生において非常に痛々しい汚点を記しました。
- この作品に関わった脚本家として世界的に名前が知られることになった事に断腸の念を抱いています。
そして、世界中から届く非難のメールに心を折られています。
私は長年にわたりその非難を逸らそうと過ごしてきましたが、そのような日の終わりとしてページ上の言葉にする形をとり、ファンの皆様にその様な失望を与えた事に対する全ての責任を引き受けます。
私は出来うる限りの事をしました、しかしその日の終わりに 「ドラゴンボールを失ってしまいました」
私が莫大な報酬につられて企画に参加したのは、(作品の)ファンとしてではなく、割り当てられた事をこなすビジネスマンとしてでした。
私は、あなたが情熱を持たずに創造的な試みに向かってゆく時には最適以下の結果に終わること、そして しばしばゴミをまき散らすこと、を学びました。
ですから、私は ドラゴンボールに関わった誰ひとりをも非難していませんが、私自身は例外です。- 他のシリーズのオタクとして、あなたが愛して参加した何かを私が残念な物にしてしまったであろう事を理解しています。
これを読まれる全てのドラゴンボールファンの皆さんに対し、心よりお詫び致します。
私は、あなた方が好きになるような、本当にかっこ良くて楽しめ、自分でも情熱を傾けられる何かを成し遂げることで、埋め合わせが出来るものと希望を持っています。
以上です
The Writer of Dragonball Evolution Offers a Sincere Apology to Fans
- I knew that it would eventually come down to this one day.
- Dragonball Evolution marked a very painful creative point in my life.
- To have something with my name on it as the writer be so globally reviled is gut wrenching.
- To receive hate mail from all over the world is heartbreaking.
- I spent so many years trying to deflect the blame, but at the end of the day it all comes down to the written word on page and I take full responsibility for what was such a disappointment to so many fans.
- I did the best I could, but at the end of the day, I ‘dropped the dragon ball.’
- I went into the project chasing after a big payday, not as a fan of the franchise but as a businessman taking on an assignment.
- I have learned that when you go into a creative endeavor without passion you come out with sub-optimal results, and sometimes flat out garbage. So I’m not blaming anyone for Dragonball but myself.
- As a fanboy of other series, I know what it’s like to have something you love and anticipate be so disappointing.
- To all the Dragon Ball fans out there, I sincerely apologize.
- I hope I can make it up to you by creating something really cool and entertaining that you will like and that is also something I am passionate about. That’s the only work I do now.
Best,
【まとめ】
- 原文の英語は(脚本家ならではと思わせる)比喩的表現が多い為かなり難解で、(筆者の力量では)自然な日本語訳は難しかった。
- 作品タイトルに含まれる「エボリューション」は<進化>の意味だが、実際に出来上がった作品は逆に<退化>していた言う、渾身のギャグになっている。
- ベン・ラムジー氏については、この映画が発表された年を最後に、新しい作品への参加記録が見当らないが、同氏の勇気を賞賛すると共に、今後の復活をお祈りする。
2024/02/03 改訂
2021/6/5 初出
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