HOME | 文書 | ストライ~ク!(今の球打てるで~!)

ストライ~ク!(今の球打てるで~!)

~ 野球の特徴と競技レベルについて ~

【 始めに(公認野球規則が定めるストライクゾーン)】
    • 打者の肩の上部とユニフォームのズボンの上部との中間点に引いた水平のラインを上限とし、ひざ頭の下部のラインを下限とする本塁上の空間をいう。
    • このストライクゾーンは打者が投球を打つための姿勢で決定されるべきである。

 
 
 
プロ12球団を頂点とする日本の野球界。
 
 
 
 
 
 
 
硬直的な体制の中で様々な問題を抱えながらも、この世界で成功することにより得られる名声と収入は、他のスポーツと比べて桁違いであり、日本で最も身体能力と運動神経の高い人間が、最も多く集まる世界である事に変わりはない。
 
そもそも野球は他のスポーツと比べて特殊なルールや仕組みが多く、そこが魅力となっているのでまとめてみたい。
*ソフトボールは野球の派生競技と見なします
 
 
【ストライクとボールのコールについて】
 

      • ストライク:『Strike( 打て) 』と言う命令

 

      • ボール:『ball to bat(バットが届く所へボールを投げろ) 』と言う命令の省略(形)

 
 
【野球の特徴】
 

      • 攻撃と守備がはっきりしている(攻撃側と守備側で用具が違う)
        • *クリケットに由来しており、野球だけと言う訳ではない
        • *カバディも攻撃と守備が入れ替わる

 

      • 攻撃で使う用具(バット)が円柱形
        • *他の球技で使われる用具の打撃面はほとんどが平面
          *クリケットバットもゆるやかな曲面になっているが、表裏が完全に分れている『板』であり、実際に裏側は平面。

 

      • 得点が1~4点
        • *他の競技でも一度に複数点が入るモノは多い

 

      • ホームラン(フェンス越え)の打球を守備側の努力で防げる可能性は極めて低い
        • *ラグビーやアメリカンフットボールのゴールキックも同じ要素あり

 

      • ホームランの出やすさが球場によって明らかに違う
        • *『パークファクター』として数値化されている
        • *左翼と右翼で非対称の球場もある*フィールドの寸法が「○○メートル~××メートルの間」と言うように幅を許容している競技は他にもある

 

      • 残塁は一切得点に換算されない

 

      • 監督やコーチもユニフォームを着ている

 

      • ストライクゾーンがバッターの体格によって変化する(ルールとして規定されている)

 

      • ストライク/ボールの判定が目視

 

      • ストライクゾーンが状況や展開によって変化する(場合がある)

 

      • ストライクゾーンが選手(主に投手、打者、捕手)の格や実績によって変化する(場合がある)

 

      • ストライクゾーンが競技レベルによって変わる(ルールにはないが、実際に存在する)
        • <例>レベルが低い試合でゾーンが狭いと、四球ばかりになってしまう

 

      • ストライクのコールで審判が絶叫する👈これ重要

 
 
【野球の特徴さらに絞り込むと次の通り】
 

    • ① 真円の棒で球体を打つと言う不確実性

 

    • ② ストライクとボールが1人の審判員の目視で判定される
      • *最終的には『宣告』👈これ重要

 

    • ③ ストライクゾーンが状況や競技レベルで変化する

 

    • つまり、これらを総合すると、レベルが高くなるほどヒットや四死球が出にくくなり、得点も入りにくくなる競技であると言える。

 

    • 実際、日本のプロ野球でも、球速が150km/hを超えたり数種類の変化球や決め球を複数持つ投手が増えたため、ルール通りのストライクゾーンでは、近い将来次の現象が発生する可能性がある。

 
 
【競技レベルが上がると…】
 

    • ① ロースコアの試合が増える
        • *以前から、ピッチャーの球筋にバッターの目が慣れていない日本シリーズでは多かった

 

    • ②同じく打撃成績が下がる
        • <想像例>ホームラン王が23本、首位打者が2割6分3厘、打点王が71点
        • <実例>2023年のパリーグ:ホームラン王26本、首位打者3割0分7厘、打点王87点

 
【まとめ】
 

    • ① 両チームが適度に点を取り合えるよう『打てる(はず)の球』、すなわちストライクの幅が変化するスポーツ。
      • *極端な場合は一球毎に変化する
        *レベルが高いほどゾーンは狭くなる
      • *ボールの反発係数を調整することで、得点バランスを調整する場合もある

 

    • ② 主な得点手段が『球体』を『円柱』の『点』で捉えると言う『偶然性の高さ』に大きな特徴がある。
      • *ボールで円柱形のピンを倒すボウリング、円形のストーンがぶつかるカーリング、ボール同士がぶつかるビリヤード等にも共通の要素はあるが、その動きは基本的に二次元で、ピンアクションに三次元的要素が加わるボウリングでもその影響は野球に比較すると限定的。

 
 
【補足】
 

    • 2020年現在、日本プロ野球のパ・リーグ(米国大リーグと3Aの間ぐらいの実力と言われ非常に高レベル)では、打者のベルトより上を通過した投球はボールと判定されていたようで、規定のゾーンより明らかに狭かった。

 

2023/12/31 改訂(2回目)
2020/12/11 初出