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エキストラのアメリカンストライカーが
メリケン波止場でエクストラなストライキ

~ カタカナの同源異義語(どうげんいぎご) ~

 
 

シチューミクスのパッケージ
シチューミクスのパッケージ / 2023年11月撮影
【始めに】外来語(主に英語からの導入)に興味のない方にはつまらないと思います

 
 
 
カタカナの同源異義語(どうげんいぎご)
 
 
 
 
 
 
 
外国の言葉を日本語に採り入れる時、多くの場合カタカナに置き換えをするだけで済むので、手間がほとんどかからない。
 
一方で、流入経路、発音のゆらぎ、単複の扱い、省略などによって多くのカタカナ表示の『同源異音語』を生み出して来た。
 
さらには、それぞれが外来語として定着する環境や過程を経て別な単語、すなわち『同源異義語』にまで分化している例があるので、まとめてみたい。
 
*以下、特に記載の無い単語は英語です
 
 
 
A)
 

      • American:アメリカン○○ と メリケン○○
        • <後者の用例>メリケン粉、メリケン波止場
        • *舶来、稀少、贅沢などの代名詞だった事が推測される

 

B)
 

      • bar : バー(棒、洋式酒場) と バル(スペイン式軽食喫茶店兼酒場) と バール(工具、イタリア式軽食喫茶店)

 

      • bass/Bass:バス(低音の声/コントラバス/魚の種類) と バース(元プロ野球選手Randy Bassの登録名) と ベース(低音の楽器)

 

      • bazaar:バザー(学校や教会などの慈善市) と バザール(イスラム圏の百貨市場)

 

      • boot:ブーツ(長靴) と ブート(アメリカ軍の新兵 あるいは コンピューターの起動)

 
 
C)
 

      • canvas:カンバス(油絵の画材) と キャンバス/キャンヴァス(油絵の画材、帆布、野球の1~3塁ベース)
        • *油絵の画材としてはいずれの発音でも通用する

 

      • caramel(英語)/carmela(ポルトガル語):カルメ焼き(屋台菓子) と キャラメル(飴菓子) と カラメル(砂糖を焦がしたソース) と チャルメラ(楽器)

 

      • chalk : チャコ(布に印をつける裁縫用品) と チョーク(黒板や路面用の筆記具。白墨。)

 

      • channel : チャネル(情報入手経路) と チャンネル(テレビ局や番組カテゴリーの番号。あるいはそれの切り替えダイヤル)

 

      • column:コラム(新聞のコラム欄) と カラム(表計算ソフトの縦の列)
        • *原義は『円柱』
        • *コラム欄は『縦の欄に横文字で書かれる』形を柱に見立てた言葉だが、日本の新聞は文字が縦書きなので、欄が横になっている。

 

      • cook/Cook:コック(料理人) と クック(料理する または 先頭が大文字で人名)

 

      • cottage:コテージ(田舎小屋、ホテルの離れタイプの客室) と カッテージ(チーズの種類)

 

      • coupe:クーペ(二人乗り馬車/自動車) と コッペ(細長いパン)

 

      • cup:カップ(主に食べ物用) と コップ(主に飲み物用)
        • *前者は英語で、不透明な材質の場合が多い
        • *後者はポルトガル語式発音の影響を受けており、透明な材質の場合が多い

 

E)
 

      • extra:エキストラ(映画・ドラマの通行人や客などセリフや役名が無い出演者) と エクストラ(余分、追加、予備)

 

F)
 

      • festival : フェス(屋外型の音楽イベント) と フェスティバル(宗教的な祭典) 

 

      • flag:フラグ(IT用語の目印やドラマの展開予兆) と フラッグ(旗)
        • <前者の用例> 犯人フラグ、生存フラグ、恋愛フラグ
          <後者の用例> チェッカーフラッグ、フラッグシップショップ(=旗艦店)

 
 
G)
 

      • gear:ギア(専門用具類) と ギヤ(歯車、変速機)
        • <前者の用例> ヘッドギア、フィッシングギア
        • <後者の用例> ギヤチェンジ、ギヤ比、5段ギヤ
        • *前者と後者は『ほぼ発音揺らぎ』あるいは『聞こえ方の違い』の範囲内にあり、使用者や規格によって逆になる場合も多い
        • *後者は『JIS規格(日本工業規格)で『ギヤ』と表記されている影響も大きいと思われる

 

      • general:ジェネラル(一般の、総括的な) と ゼネラル(一般の、総括的な)*やや古風な発音
        • <前者の派生> ジェネリック、ジェネレーター、
          <後者の用例> ゼネラルス・トライキ(ゼネスト)、ゼネラル・エレクトリック(GE)、富士通ゼネラル
        • *前者と後者は『ほぼ発音揺らぎ』の範囲内にあると言えるが、後者はやや古風で堅い印象を与える
        • *原語の発音に近いのは『ジェネラル』の方

 

      • glass:ガラス(透明で固いもの一般) と グラス(主に飲み物用食器、まれにメガネ)

 

      • glove:グローブ(手袋) と グラブ(野球用具)

 

      • sheet:シート(平面で薄いもの一般) と シーツ(寝具)

 

      • gum:ガム(食品) と ゴム(工業品)

 

      • gut:ガット(ラケットの弦) と ガッツ(敢闘精神)
        • *ガッツは和製英語

 
 
H)
 

      • Hanburg:ハンブルグ(都市名) と ハンバーグ(料理)

 

      • heart(s):ハート(心、心情、精神力、♡) と ハツ(食肉としての心臓)

 

      • Hepburn:ヘップバーン(俳優/オードリーの名字) と ヘボン(学者/ヘボン式ローマ字表記の考案者の名字)

 

      • horn:ホルン(渦巻き型の管楽器) と ホーン(ウシ、シカ、ヤギ等の角。自動車のクラクション。)

 

I)
 

      • ink:インク(主に筆やペン用) と インキ(主に印刷機用で、特に粘性が高いもの?)

 

      • iron:アイアン(ゴルフ用品、鉄製、鉄のように強い) と アイロン(家電)

 
 
J)
 

      • jack/Jack:ジャッキ(自動車等を持ち上げる機械) と ジャック(トランプで11の札、男性の名)

 

      • jersey/Jersey:ジャージ(伸縮性の運動着で上下セットの場合が多い) と ジャージー(ラグビー用の上着、乳牛の品種)
        • *『ラグビー用の上着』は、ジャージとジャージーで表記揺れがある

 

      • jumper : ジャンパー(跳躍する人) と ジャンバー(屋外用のカジュアルな上着)

 
 
K)
 

      • Kobe:コービー・ブライアント(元バスケットボール選手 と 神戸(都市名)

 
 
L)
 

      • label:ラベル(表示用に貼るシート類) と レーベル(レコード会社内のジャンル別ブランド)
        • *レーベルの方が実際の原音に近い
        • *ドイツ語のレッテルも同じ意味だが、日本語だと一般的に”不良”のイメージを持つ

 

      • layer:レイヤー(層)とレア(レア・チーズケーキ)
        • *後者(ケーキ)の方も本来は『レイヤー・・・』”の方が適切か?『レヤー、レーヤー・・・』の表記例もあり

 

      • lemonade:ラムネ(冷たい)と レモネード(温かい)
        • *レモネードは本来冷たい飲み物(レモンスカッシュに近い)

 
 
M)
 

      • machine:マシン(機械類全般) と ミシン(縫製機)

 

      • micro:マイクロ(千分の一㍉を表す長さの単位で記号:μ、極小化された物) と ミクロ(微視的な、微細な)

 

      • mince(d):ミンチ(ひき肉/みじん切り) と メンチ(揚げ物)

 

      • mix : ミックス(混ぜる、混合) と ミクス(調合済粉末、粉末か顆粒の『○○の素』) 
        • 【後者の例】シチューミクス、ホットケーキミクス
        • *『ミクス』の方が英語の発音には近い

 

      • mobile:モバイル(移動型の) と モビール(吊り下げ型で動きのある飾り) と モービル(動力付の乗り物)

 

      • musk :マスク(高級メロン) と ムスク(香水)
        • *ムスクの方が英語の原音に近い

 
 
N)
 

      • nut : ナット(留めネジ。ボルトと組み合わせて使う) と ナッツ(木の実、特に食用になる物)

 
 
O)
 

      • omunibus:オムニバス(文学/音楽/番組などの総集編) と バス(座席数が多い自動車)
        • *元々は『乗合馬車』の事

 
 
P)
 

      • pound : パウンド(重さの単位) と ポンド(英国の通貨)

 

      • polyp : ポリプ(刺胞動物の構造) と ポリープ(医学用語)
        • *前者の例:イソギンチャク、サンゴ
        • *後者の例:喉のポリープ、大腸ポリープ

 

      • profile:プロフィール(経歴紹介) と プロファイル/プロファイリング(犯人像の推理手法)

 

      • puma:プーマ(スポーツ用品メーカー) と ピューマ(肉食動物)
        • *前者のロゴは大文字
        • *後者の別名はcougar/クーガー

 

      • punch:パンチ(拳で打つこと、げんこつ、紙に穴を空ける) と ポンチ(フルーツポンチ、革や金属板に穴を空けたり刻印する工具)

 
 
R)
 

      • recorder:リコーダー(縦笛) と レコーダー(記録機器全般)

 

      • release:リリース(離す、発表する) と レリーズ(カメラのシャッターを切ること)

 

      • relief:リリーフ(助ける) と レリーフ(浮き彫り)

 

      • report:レポート(主に紙の報告書) と リポート(主に音声・動画での報告)

 

      • ruby:ルビー(宝石) と ルビ(漢字の印刷物につける振り仮名)

 
 
S)
 

      • second:セカンド (2番目、二塁手) と セコンド(ボクシングのサポート員)

 

      • shake :シェイク/シェーク(振る) と セーキ(ミルクセーキ)

 

      • sheet:シート(紙や座席) と シーツ(寝具)

 

      • short:ショート(短い、短絡、遊撃手) と ショーツ(下着、半ズボン)

 

      • shovel:シャベル(人力で穴を掘る道具) と ショベル(穴を掘る重機)

 

      • stick:スティック(棒) と ステッキ(杖) と チック(円筒形かつ固形タイプの塗り薬)

 

      • strike:ストライキ(スト、労働争議の一形態) と ストライク(野球・ボウリング用語)

 

      • squeeze:スクイズ(野球のスクイズバント) と スクイーズ(搾る、搾り取る)

 

T)
 

      • tight:タイト(きつい/きつく) と タイツ(衣類 )

 

      • tag:タグ(札) と タッグ(プロレスのチーム )

 

      • truck:トラック(自動車) と トロッコ(簡易鉄道)

 

V)
 

      • vent:ベント(穴、通気口) と ベンツ(ジャケットやスカートの裾の切れ目/スリット)

 

      • volley:バレー(バレーボール/排球) と ボレー(テニスやサッカーでボールがバウンドする前に打つ/蹴ること)
        • *両方とも『ヴォリィー』と発音した方が通じるか?

 

W)
 

      • white:ホワイト(白色) と ワイ(シャツ)
        • *ワイシャツ/Yシャツは和製英語

 
 
【まとめ】
 

      • それぞれの言葉が流入してきた経路の違いが最も影響しているか

 

      • 『古い時代に聞こえたままを音写』したパターンの方が実践的で通じやすい気がする。

 

      • <実例>
            • ウオーター(水) ➡「ワラ」か「ワタ」
            • What time is it now?(今何時だい?) ➡「掘った芋いじるな」
            • ウオッチ(船の見張り番/腕時計) ➡ ワッチ
            • チケット(入場券/乗車券) ➡ テケツ
            • チェック(鉄道の預け荷物) ➡ チッキ

 

2024/11/23 改訂(32回目)
2022/04/23 初出