人名に由来する一般名詞や慣用表現。
『科学分野における功績者名の学術用語化』については、別な記事で採り上げているが、これとは別に自然発生する流れもある。
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ここでは、人名由来だと言う事が忘れ去られいる程に一般化している(と思われる)単語や表現をまとめてみたい。
*固有名詞の一部(グループ/ユニット名、地名、建築物の名称、施設名、組織名、病名)は除外しています
ア行)
- アキレス腱:ギリシャ神話中のアキレウスより
- *本来は医学用語で、強者が抱える意外な弱点の意味に派生。
- インゲン(豆):隠元和尚
- 浦島太郎(うらしまたろう):おとぎ話のタイトルかつ主人公。『時代の変化や文明の発展に取り残された人』の揶揄または自虐表現。
- *『ウラシマ効果』と言う、相対性理論に関する学術用語にも派生している
カ行)
- カーディガン
- カチューシャ:C字型ヘアバンド。ロシア文学の主人公の名より。
- カルパッチョ:料理名。イタリアの画家ヴィットーレ・カルパッチョの作風(色彩)より。
- ギロチン:処刑(死刑執行)装置。その人道性(受刑者および執行人の苦痛が少ない)と平等性(身分に関わらず同じ方法)を喧伝したジョセフ・ギヨタン博士に由来。
- 虞美人草/ぐびじんそう:ヒナゲシの異称。『虞』が人名。
- ゴタゴタ:話が難解かつ長かった禅宗僧侶の兀庵普寧(ごったんふねい)より
- *<変化>兀庵→ごったん→ゴッタンゴッタン→ゴタゴタ
- *諸説あるが、かなり有力?
サ行)
- サヴァラン:洋菓子。フランスの食通、ブリア・サヴァランより。
- サックス/サクソフォーン:考案者のアントワーヌ・ジョゼフ・アドルフ・サックスより
- サランラップ:女性の名前 サラ(Sarah) と アン(Ann)より
- サンドイッチ:サンドイッチ伯爵より。カードゲーム(賭け)をしながらでも食べやすい食事として好んでいた(らしい)。
- ジュライ(July/7月):ジュリアス・シーザー/ユリウス・カエサルより
- シルエット:フランス王朝で財務大臣を務めたエティエンヌ・ド・シルエットより
- スケベ:助平(すけべい)より
- 川柳(せんりゅう):柄井川柳(からい せんりゅう)より
タ行)
- 太公望(たいこうぼう):釣りの名人
- 伊達巻き(だてまき):魚のすり身を使った卵料理
- ダービー:英国の名士
- タクアン(漬):沢庵和尚より
- 出歯亀(でばがめ)
- 土左衛門(どざえもん):巨漢力士の名より
- トランポリン:空中ブランコ師の名で、安全ネットの反発力を使った余興をしていたらしい
ナ行)
- 名無しの権兵衛(ななしのごんべえ):名前が不明な人。時に、氏名が記されていない提出物や遺失物。
ハ行)
- 包丁(ほうちょう):中国の料理人より
- パパラッチ/paparazzi:映画の登場人物(カメラマン)パパラッツォ(Paparazzo)より。
- ホチキス:ホチキス博士より *日本だけの呼び方らしい
- ヒアシンス/ヒヤシンス(植物):ギリシャ神話の中の美青年「ヒュアキントス」より
- ピラティス:開発者のジョセフ・H・ピラティス氏より
- *ピラティス氏自身は『コントロロジー』と命名した
- ヘベレケ:ギリシャ神話の女神ヘーベー/ヘベから?
- *「ヘベ・エリュエケ(Hebeerryk)=ヘベのお酌」の短縮+訛りと言う説が有力
- ボイコット:イギリス軍人で土地差配人(て何だ?)のチャールズ・ボイコットより。
- *『ボイコットされた人』として有名になってしまった
マ行)
- マドレーヌ(焼き菓子の種類)
- マルガリータ(カクテルの名前)
- マルゲリータ(ピッツアの種類)
ヤ行)
- 八百長(やおちょう):八百屋の長兵衛の隠語化
- やじろべえ
ラ行)
- レオタード:空中曲芸師(って何だ)、ジュール・レオタール氏より
【結論】
- 他の言葉や表現への言い換えが困難になる程まで定着しているケースも多い
- 本人の意思とは関係なく定着してるケースも多い。
- *あだ名やニックネームが付くのに似ている。
- *ギロチン(ギヨタン博士)の場合は、あまりに不本意であった為、家族を含め本名(名字)を変えてしまったらしい
2024/05/04 改訂(7回目)
2022/5/7 初出
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