海外への旅。
豪華客船によるクルーズのように、船旅自体が主目的である場合を除くと、飛行機を利用する事が時間的・費用的に常識となっているが、航空業界では船舶や航海に関係する用語や仕組みが多く転用されているので、まとめてみたい。
【船舶や航海由来の用語や仕組み】
- エア・クラフト(航空機):直訳すると<空の船>
- エアポート/空港: <ポート/港>がそのまま残っている
- エプロン:空港で貨物などの積み下ろしをするエリアだが、港湾では岸壁の平面部分の事を指す。
- キャビン(客室):語源は船室
- キャビンアテンダント:もともとはキャビン(船室)の掃除やベッドメーキングをする係
- *CA(シーエー)と略称されるケースが多い
- ギャレー:機内食などを保管/用意するスペースで、もともとの意味は<船の厨房>
- クルー(乗員/乗務員):語源は船員/船の乗組員
- クルーズ/クルージング(巡航):一定速度での移動を意味するが、第一義は<船旅>
- キャプテン(機長):もともとの意味は船長で、語源は『帽子(Cap)をかぶる(Tain)人』
- 肩章/袖口の線(金モール) : キャプテンは4本、副操縦士は3本の二階級
- *海運の世界では、本来通り1~4本の四階級に分かれている
- コックピット(操縦席):直訳すると<船上で食用ニワトリを飼っておく囲い>
- スチュワーデス(女性)/スチュワード(男性)
- *女性が乗務するようなったのは航空機の時代になってからで、飛行機に恐怖心を持つ乗客に対して、「女性が乗れるほど安全なんですよ」とアピールするために始めたと言う説もある。
- デッキ:語源は甲板 <派生例>空港の展望デッキ、デッキシューズ、デッキチェア
- ドック:空港のビルから外側に延びている通路で、本来の意味は<船の建造/修理場>
- ナビゲーション:語源は、船の位置を把握して針路を割り出す航海術のこと
- ノット: 飛行速度を表す単位
- *1ノット/時=1.852km/時
- *地球表面上で緯度1分(1緯度の1/60)に相当する長さ
- *漢字で『海里』
- *英語での別表現:『nautical mile』または『sea mile』
- パイロット(操縦士):語源は<水先案内人>
- パーサー:語源は<船員の中で財布(パース)の管理を任されている人>
- ピア:ボーディングブリッジが架けられる部分で、本来の意味は<桟橋>
- ボーディング(搭乗)/ボーディングブリッジ(搭乗口):元々は<ボード(デッキ/甲板)の上に立つこと>
- ライナー:定期航路船。航空意外にも鉄道、バス業界の名称や用語にも派生。
- 【用例】エアライナー、ボーイング787ドリームライナー、京成スカイライナー、空港ライナー
- *原語(英語)のlinerには『線を引く道具』、『野球の低く鋭い打球』、『服の裏地』等の意味もある。
- ローンチカスタマー:『新型航空機の一番機(初ロット)を購入する客』を表す尊称だが、直訳は<進水する船の購入者>
【縮小/廃止になった慣習】
- 機種に別称をつける
- 【例】ジャンボジェット、トライスター、オリンピア
- *軍事用航空機では現在でも一般的
- 機体に愛称をつける
- 【例】よど号、富士、木星
- *日本では○○号が多かった
- *海外では現在でも実施している国や航空会社がある
【まとめ】
- 『海外』と言う概念自体が<海基準>で、『航空』と言う言葉の先頭も<舟>!
2023/8/13 改訂(4回目)
2021/9/11 初出
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