地名がタイトルに入ったご当地ソング。
音楽業界における1ジャンルとして多くのヒット曲が生まれて、中にはその歌手の代表曲になった物もあるが、題材の大部分は五大都市圏に由来する。
- *五大都市圏の定義(筆者基準):札幌、京浜、名古屋、京阪神、福岡(博多)
しかし、この記事ではそれ以外の地域に目を向けてい行きたい。
- *基本的に相当な魅力を持つ、具体的には①テレビやラジオで放送される(された)、②他の歌手にカバーされている、③映画やドラマでも使われている、④歌謡祭などにおける受賞曲、⑤最低でも商業用カラオケに登録されているレベルの楽曲を取り上げています
【はじめに(音楽レコードのA面とB面について)】
- アナログレコード(針を盤面に接触させて音声を再生する)の両盤面で、シングル盤(2曲入り)の場合、一般的にA面がメインでB面がおまけと位置付けとされていた。
- *『両A面』を強調する場合もあった
*『Side 1 / Side 2』 と表記される事もある
*『B面の名曲』や『B面からヒットした曲』もかなりある
*デジタル化された後も、『カップリング』として、2曲セットで発表される慣習が残った
【北海道】*ただし、札幌市内は除く
- 襟裳岬(えりもみさき)/森進一/1974
- 小樽のひとよ(おたるのひとよ)/鶴岡雅義と東京ロマンチカ/1967
- 霧の摩周湖(きりのましゅうこ)/布施明/1965
- *歌手の布施明は、「誰も知らないような場所の歌なんて売れるはずがない」と全然やる気がなかった(らしい)。
- 知床旅情(しれとこぼじょう)/森繁久弥/1965
- 函館の女(はこだてのひと)/北島三郎/1965
- *当初は『北海道恋物語』がレコードのA面になる予定だったらしい
- 函館本線(はこだてほんせん)/山川豊/1981
【東北】青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島
- 青葉城恋唄(あおばじょうこいうた)/さとう宗幸/1978:仙台(仙台城跡)が舞台
- 哀しみ本線日本海(かなしみほんせんにほんかい)/森昌子/1981
- *実在する路線名ではなく、歌詞中にも具体的な地名は出てこないので、歌い出し部分の「シベリアおろし」と「北の海」から東北地方に分類したが、北海道~中部(北陸)をイメージすることも可能。
- 津軽海峡・冬景色(つがるかいきょうふゆげしき)/石川さゆり/1977:行き先は北海道の函館
- 津軽平野(つがるへいや)/吉幾三/1984
- みちのくひとり旅(みちのくひとりたび)/山本譲二/1980
- *かなりおおっざっぱな地域設定となっている
- *山本譲二の出身地は山口県
【関東】茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川
- *ただし、東京都内、横浜市内、 湘南地域は除く
- 雨の埼玉/さいたまんぞう/1988
- 想い出の九十九里浜(おもいでのくじゅうくりはま)/Mi-Ke(ミケ)/1991
- 北ウイング(きたういんぐ)/中森明菜/1984:千葉県、成田空港の乗降施設
- 埼玉オリンピック音頭/さいたまんぞう/1981
- *B面:なぜか埼玉海がない
- なぜか埼玉/さいたまんぞう/1981
- *B面:埼玉いろはづくし
- 矢切の渡し(やぎりのわたし)/1976(B面として)/1982(A面として再発売):千葉県松戸市。対岸は東京都葛飾区柴又
【中部】新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、阜岐、静岡、愛知、
- *ただし、名古屋市内は除く
- 天城越え(あまぎごえ)/石川さゆり/1986
- 奥飛騨慕情(おくひだぼじょう)/竜鉄也/1980
- 千曲川(ちくまがわ)/五木ひろし/1975
- 長良川艶歌(ながらがわえんか)/五木ひろし/1984
- 能登半島(のとはんとう)/石川さゆり/1977
【関西】三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山
- *ただし、大阪府内、神戸市内、京都市内は除く
- 奈良の春日野(ならのかすがの)/吉永小百合/1965
【中国】鳥取、島根、岡山、広島、山口
- 尾道の女(おのみちのひと)/北島三郎/1966
- 瀬戸の花嫁(せとのはなよめ)/小柳ルミ子/1972
- *四国に分類しても良い?
【四国】徳島、香川、愛媛、高知
- 南国土佐を後にして(なんごくとさをあとにして)/ペギー葉山/1953〜1954(推定)
【九州・沖縄】福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島
- *ただし、福岡市内は除く
- 佐賀県(さがけん)/はなわ/2003
- 薩摩の女(さつまのひと)/北島三郎/1968
- 長崎の鐘(ながさきのかね)/森山一郎/1949
- 長崎は今日も雨だった/内山田洋とクール・ファイブ/1969
【水森かおり特別コーナー】
- *発表順
- *五大都市圏は除く(元々ほとんど無い…)
- 竜飛岬、尾道水道、東尋坊、鳥取砂丘、釧路湿原、秋吉台、野尻湖ひとり、熊野古道、桂浜、ひとり薩摩路、輪島朝市、北陸ひとり旅、安芸の宮島、雨の修善寺、松島紀行、虹の松原、庄内平野、湯布院、ひとり長良川、 白川郷、伊勢めぐり鳥羽の旅、島根恋旅、竹居岬、隠岐旅情、津和野、大和路の恋、恋人岬、越後水原、天竜峡、鎌倉街道、大糸線、早鞆ノ瀬戸、宇和島 別れ波、角島大橋、山口旅愁、水に咲く花・支笏湖へ、宗谷本線 比布駅、定山渓、僕たちの世界、高遠 さくら路、信濃路恋歌、霧の碓氷峠、瀬戸内 小豆島、檜原忘れ路、鳴子峡、秋保大滝、牡鹿半島、九十九里浜
【まとめ】
- 五大都市圏に比べて圧倒的に作るのが難しいが、逆にピッタリとはまった場合、その歌手の代表作になる場合もある
- また、地名を入れ替えてシリーズ化される場合もある
- 名古屋はもともと少ないので、除外しなくても良いかも・・・ ← 個人の感想です
【特記事項】
- アナログレコードの説明が長くなってしまった!
- 作家や歌手が『その場を訪れた事がないまま』リリースされた曲も多いらしい
- 歌い手の代表曲となっている例もある
- 日本各地はもとより、『世界』までをご当地に引き込む歌手、水森かおり、恐るべし
2022/12/02 改訂(2回目)
2021/12/31 初出
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