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もしもピアノが弾けたならラヴ・イズ・オーヴァーしなかった(かも)

~ レコードB面から生まれたヒット曲や名曲 ~

 
 
 
音楽レコードのB面。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
基本的に『おまけ』の位置付けであるが、制作過程全体において自由度が高いことを利用して、実験的であったり個性的な楽曲も多い。
 
さらには、名曲と称されたり、ヒット曲になった例もあるのでまとてみたい。
 
 

  • 【はじめに(アナログ式音楽レコードについて)】

 

      • アナログレコード:盤面を回転させながらそこに刻まれた溝に針を接触させて音声を再生する記録メディア

 

      • シングル盤:直径7インチ(約17㌢)で、多くの場合1曲3~5分台の曲が両面に各1曲、合計2曲録音されている
        • *デジタル化された後も、『カップリング』として、2曲セットで発表される慣習は残る

 

      • A面とB面:表と裏の区別で、A面がメインとされ、B面はおまけの意味合いも強かった
        • *両A面を強調する場合もあった
          *両面を通して1つの世界が構築されていると言う意味合いから、主にアルバム作品で『Side 1 / Side 2』 と表記される事もあった

 
  
【B面候補がA面で発売されてヒットした例】
 

      • 霧の摩周湖:布施明/1966
        *摩周湖(北海道)自体も無名だったが、無名だからこそ敢えてテーマに選んだらしい

 

      • ラブ・ストーリーは突然に:小田和正/1991
        • *「Oh! Yeah!」との両A面扱い
        • *小田和正自身は、『ラブ・ストーリー~』の方をB面にしたかった(らしい)

 
 
【B面のままヒットした例】
 

      • 愛の奇跡:ヒデとロザンナ/1668

 

      • さらばシベリア鉄道:大滝詠一/1981
        • *実際の表記はSide Bで、Side A は 『A面で恋をして』

 

      • 東村山音頭:志村けん/1976
        • *正式な曲名は『志村けんの全員集合 東村山音頭』
        • *原曲は、別な歌手により同じく1976に発売された『東村山音頭』がある(らしい)ので、『志村けんの・・・』は題名のごとくリメイク版に位置付けされるが、知名度は後者の方が圧倒的に高い。

 
 
【B面として発売されたが、A面に格上げされた上、再発売された例】
 

      • おもいで酒:小林幸子/1979

 

      • 学生街の喫茶店:ガロ/1972

 

      • Sweet Memories(スイートメモリーズ):松田聖子/1983
        • *テレビコマーシャルソングになる事を前提として録音され、オンエア時も当初は歌手名を明かさないなど、戦略的な側面があった
        • *再発売後は『両A面』扱い

 

      • スーダラ節:クレイジーキャッツ/1961
        • *当初のA面は『こりゃシャクだった』

 

      • 星影のワルツ:千昌夫/1966

 

      • 港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ:ダウンタウンブギウギバンド/1975、

 

      • もしもピアノが弾けたなら:西田敏行/1981

 

      • 矢切の渡し:ちあきなおみ/1976
        • *1982年には、ちあき自身がA面で再発売
        • *1983年に細川たかし等にカバー(競作)されて大ヒット

 

      • ラヴ・イズ・オーヴァー:欧陽菲菲(オーヤン・フィーフィー)/1979
        • *再発売後は『両A面』扱い

 

      • ロンリー・チャップリン:鈴木聖美 with Rats & Star/1987

 
 
【番外(続編がヒットした例)】
 

      • プレイバック Part 2:山口百恵/1978
        • *諸事情により 『Part 1』より先に発表された

 

      • マツケンサンバⅡ:松平健/2004
        • *制作は1994
        • *自主制作盤CDの制作は1999(”Ⅰ"のカップリング曲)

 

      • 未来予想図II : ドリームスカムトゥルー/1989
        • *アルバム収録曲として発表された

 

      • もしかして PARTII : 小林幸子と美樹克彦/1984
        • *B面が一作目の『もしかして』

 
 
【まとめ】
 

      • 基本的には『おまけ』、『刺身のつま』、『定食の漬物』的な扱いが多い(多かった)。

 

      • 作り手や歌い手本来の個性が出しやすく、実験的な楽曲も多い(多かった)

 

      • 派手さは少ない反面、聴き飽きない曲に仕上がっている傾向があり、他の歌手によってカバーされる事も多い

 

      • 割合は少ないが、B面もまったく手を抜かない作家や歌手がいる(いた)らしい

 
 
【補足】
 

      • アナログレコードについて説明をする際、過去形の記述になってしまう事に気付かされた。

 

      • 一方、2022年現在でも、アナログレコードや再生機器が新しく発売される事がある。

 

2024/12/01 改訂(4回目)
2022/1/22 初出

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