覆面レスラー、あるいはマスクマン。
数あるスポーツの中で、防具以外の用途でマスクを被るのは、プロレス独特のスタイルである。
そのデザインやキャラクターを始め、経緯、背景、完成度なども多様であるが、その意味を筆者なり考察してみたい。
【有名なマスクマン】*プロレスに興味がない人でも知っている(知っていた)レベル
- ザ・デストロイヤー:米国人だが、日本のテレビタレントとしても人気があった。
- タイガーマスク:元々は漫画でテレビアニメも有名
- *○○代目と引き継がれ、○○タイガーなどの派生も多い
- ミル・マスカラス:プロレス界で最も成功したマスクマン(の一人)
【マスクをかぶる理由】*下に行くほど強制力が強い
- 格好良さそうだから/目立ちたい
- キャラクター付け
- *地味なイメージを払拭するパターンが大多数だが、中には「顔が良すぎて面白みがないから」と言う例もあるらしい。
- 本来の自分とは別な人格や性格になりきるため
- 正体や身分を隠すため
- *メキシコでは兼業も多いらしく、覆面レスラーの発祥もこれだと言われている
- 業務命令
- *自分の意志ではないので、途中でやめる確率も高い
【良くあるパターン】*良くある順
- メキシコ流のテクニック(関節技や空中殺法)を特徴とする
- *リングネームもメキシコ風(スペイン語系)が多い
- マスクの仕様が試合用と日常生活用で違う
- マスクのバージョンが複数ある
- マスクを2枚重ねてかぶって入場し、リング上で1枚を客席へ投げ入れる
- タッグやチームで揃える
- 入場の時だけ(セレモニーとして)かぶる *試合中は脱ぐ
- 対戦相手同じマスクをしてくる *主に挑発行為として
- 期間限定 *有名レスラーの場合は『正体バレバレ』と言う一種のお約束
【良くあるテーマ】五十音順
- 宇宙人風
- 動物(特に猛獣や猛禽)
- 特撮ヒーロー
- 漫画やアニメのキャラクター
- 料理や食べ物
- 和風
【いたら嫌な覆面レスラー】*下に行くほど嫌(筆者基準)
- 他競技の防具(マスクや面)を転用している(野球、アイスホッケー、剣道、フェンシング、他)
- *実際に存在する
- 節約のためマスクを自作している
- 仮面舞踏会またはカーニバル用のマスクをしている
- 医療用マスクをしている
- 自分の素顔にそっくりなマスクを着用している
- 他の選手のお下がりを利用している
- ペイントで代用している
- リングに上がってからかぶる
- 世襲制を採用している
- *メキシコでは珍しくないらしい
- 実家が裕福
- マスクの洗濯頻度が低い
- マスクを持ってくるのを忘れる事が多い
- リングネームが本名
【まとめ】
- プロレス独特の形態。
- 競技上の利点は僅かで(多少の怪我防止効果と相手から表情を読み取られない程度か?)、日常生活でも大きな制約となるのにも関わらず、廃れる事がない。
- マスクのデザインと同様、経緯、背景、着用期間などが様々で、「まとめ切れない」と言うのがまとめだが、プロレスの世界において『試合における別人格の構築』がいかに重要であるかと言う事が考察される。
- 2022/1/15 初出