別名、通り名、異名、尊称、愛称など。
多くの場合、社会的な役割や人間関係に応じて、本名とは別な呼び名を持っていると思うが、その数については数個もあれば多い方ではないだろうか。
しかしながら、歴史上には、それらを飛び抜けて多く持っている人物、すなわち『釈迦(しゃか)』が存在していたので、まとめてみたい。
【はじめに(言語について)】
- パーリ語:釈迦が使っていたとされる言語で、現在は文語としてのみ存在する。
- サンスクリット語:釈迦に関する経典を記す際に用いられた言語で、漢訳は梵字(ぼんじ)。現在も少数ながら話者が存在する。
- 漢字:日本に伝えられた経典のほとんどはサンスクリット語から漢訳(音写を含む)したもの。
【本記事での代表呼称】
- 最も一般的で、言葉として色合いが中性的と思われる『釈迦(しゃか)』と呼びます。
【本名】
- ガウタマ・シッダールタ/ゴータマ・シッダッタ/ゴータマ・シッダールダ
- *パーリ語またはサンスクリット語での読みを日本語の発音に当てはめたもの
【別名、異名、尊称など】
ア行)
- 応供(おうぐ) あるいは 阿羅漢(あらかん) *仏の十号の二
カ行)
- 覚者(かくしゃ):『仏陀』の漢訳のひとつ
- 金人(きんじん)
サ行)
- 悟った人(さとったひと):『仏陀』の和訳のひとつ
- 釈迦/釋迦/シャカ
- <派生>お釈迦様、釈尊(しゃくそん)、釈迦牟尼(しゃかむに)、釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)
- 沙門ガウタマ/ゴータマ(しゃもんガウタマ/ゴータマ):『沙門』自体は出家修行者と言う身分を表す言葉だが、釈迦への呼びかけとして使われたらしい
- 調御丈夫(じょうごじょうぶ)*仏の十号の八
- 正覚者(しょうがくしゃ)
- 正遍知(しょうへんち) あるいは 等正覚(とうしょうがく) *仏の十号の三
- 世間解(せけんげ) *仏の十号の六
- 世尊(せそん) *仏の十号の十一
- 善逝(ぜんぜい) *仏の十号の五
タ行)
- 天人師(てんにんし) *仏の十号の九
ナ行)
- 如来(にょらい) *仏の十号の一で、サンスクリット語タターガタの漢訳
ハ行)
- 薄伽梵/婆伽梵(ばかぼん)
- 仏陀/佛陀/ブッダ
- *他の漢字表記:仏大、仏図、浮陀、浮図、仏駄、浮屠、浮環、浮頑、勃陀、
- 仏/佛(ぶつ) *仏の十号の十
- 仏子(ぶっし)
- 法王(ほうおう)
- *サンスクリット語、ダルマラージャの漢訳。他の宗教の最高位者もこう呼ばれる事があるが、仏典中に示される例が最古と見られる。
- 仏(ほとけ)
- <派生>仏様(ほとけさま)、御仏(みほとけ)
マ行)
- 明行足(みょうぎょうそく) *仏の十号の四
- 無上士(むじょうし)*仏の十号の七
- 目覚めた人(めざめたひと):『仏陀』の和訳のひとつ
【仏の十号(ほとけのじゅうごう)について】
- 釈迦の十大称号あるいは尊称。組み合わせや取捨の方法により数が変動する。
- 本記事では11種類を掲載。
【まとめ】
- 釈迦は、実在・創作を問わず、人類史上において最も尊称、別名、異名が多い人である事に間違いない
- 釈迦を『尊称、別名、異名などは偶然与えられる訳ではない事を最も実証した人』と定義付ける事も可能
2022/5/5 初出
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