数字表現。
一般的に数字や数値は正確さを期する為に使われ、現代生活はそれを利用した時間/時刻、カレンダー、お金、成果/成績、健康などの上に成り立っていると言う見方も可能だが、数字表現の中には実態との間に乖離がある例も多いのでまとめてみたい。
<並び順>
- ①数字が複数含まれている場合、先に出てくる方をキーとする
- ②数字が小さい順
- ③読みの五十音順
*固有名詞の一部(人名、グループ/ユニット名、地名、建築物の名称、施設名、組織名)は除外しています
【小数点以下】
- 大小/長短の比較が出来ない場合あり
- 微塵(みじん):非常に小さいこと。語源(仏典)的には、物質を構成する最小の単位。
- <用例>木っ端微塵、微塵切り、ミジンコ、微塵もない
- 刹那(せつな):短い時間や期間であること。語源(仏典)的には0.000000000000000001秒(10のマイナス18乗秒)。
【0~9】
- 一か八か(いちかばちか)
- 一日千秋の思い(いちじつせんしゅうのおもい)
- 一攫千金(いっかくせんきん)
- 一ヶ月/一月(いっかげつ/ひとつき):平均29.5日
- *旧暦(陰暦)は現在でも一月が29日か30日
- *妊娠期間については一月を28日で計算する
- 一騎当千(いっきとうせん)
- 一事が万事(いちじがばんじ)
- 一文無し(いちもんなし)
- 一里塚(いちりづか)
- 一を聞いて十を知る(いちをきいてじゅうをしる)
- 二足のわらじを履く
- 二枚舌(にまいじた)
- 二枚目半(にまいめはん)
- *『二枚目』と『三枚目』は順序が明確な歌舞伎用語
- 石の上にも三年(いしのうえにもさんねん)
- 三々五々(さんさんごご)
- 三段腹(さんだんばら)
- 三度目の正直(さんどめのしょうじき)
- 三昧(ざんまい) 【用例】贅沢三昧、読書三昧
- 早起きは三文の得/徳(はやおきはさんもんのとく)
- 仏の顔も三度まで(ほとけのかおもさんどまで)
- 三日天下(みっかてんか/でんか):明智光秀の別称(蔑称)。
- *実際は11~12日間、日本の最高権力を掌握していた。
*『やっと手に入れた権力の座を短期間で追われた人』の意に派生している。
- 三日坊主(みっかぼうず)
- 三下り半(みくだりはん):江戸時代の離縁状の別称
- 【用例】三行半を突きつける/られる
- 四苦八苦(しくはっく):苦労を沢山する事だが、語源は仏教で説かれる八種類の苦しみ。
- 四の五の言わず(しのごのいわず)
- 五家宝(ごかぼう):埼玉県の干菓子の一種。名前の由来には諸説あり、はっきりしない。
- 五臓六腑(ごぞうろっぷ)
- 五目御飯/五目寿司(ごもくごはん/五目寿司)
- 五里霧中(ごりむちゅう)
- 色の白いは七難隠す(いろのしろいはしちなんかくす)
- *本来『七難』は仏教に由来するが、経典によってその定義が異なる
- 七転八倒(しちてんばっとう)⇔七転び八起き(ななころびやおき)
- 七つ道具:専門的な仕事や細工をするために必要とされる道具類
- おやつ/お八つ:時間(八つ時=午後3時)に由来
- 口八丁手八丁(くちはっちょうてはっちょう)
- 八面六臂(はちめんろっぴ) 【用例】八面六臂の働き/活躍/奮迅
- 八宝菜(はっぱうさい)
- 村八分(むらはちぶ)
- 八重桜/ヤエザクラ
- 八重歯(やえば)
- 八つ当たり(やつあたり)
- ヤツメウナギ/八目鰻:横から見ると、実際の目が1つとえら穴が7つある
- 九死に一生を得る(きゅうしにいしょうをえる)
- 九州地方(きゅうしゅうちほう):7県で構成されている *江戸時代まで9藩で構成されていた事から
【10~19】
- 十把一絡げ(じっぱひとからげ)
- 十人十色(じゅうにんといろ)
- 十人並み(じゅうにんなみ)
- 十月十日(とつきとおか):人類の標準的な妊娠期間
- *実際は1ヶ月を28日として、10ヶ月間の280日
【20~29】
- 二十世紀(にじゅっせいき):梨の品種
【30~39】
- サーティーワンアイスクリーム
- *収納の関係で、売っているアイスの種類は『4の倍数』になるらしい。
【40~49】
- 四十雀/シジュウカラ:鳥の種
- 四十八手(しじゅうはって):大相撲における決まり手の数(の豊富さを)表した言葉で、時代によって認定数には変動がある
- *2021年現在の相撲協会規定では82手
【50~99】
- 五十歩百歩(ごじっぽひゃっぽ/ごじゅっぽひゃっぽ)
- 九十九折り/つづら折り(つづらおり)
【100~199】
- おまえ百までわしゃ九十九まで(おまえひゃくまでわしゃくじゅくまで)
- 米百俵(こめひゃっぴょう):教育の重要性に関する逸話
- 酒は百薬の長(さけはひゃくやくのちょう)
- 雀百まで踊り忘れず(すずめひゃくまでおどりわすれず)
- 百花蜂蜜/百花蜜(ひゃっかはちみつ/ひゃっかみつ)
- 百花繚乱(ひゃっかりょうらん)
- 百貫デブ(ひゃっかんでぶ):単純計算すると体重375kg!
- 百鬼夜行(ひゃっきやこう)
- 百円ショップ(ひゃくえんしょっぷ)
- *税抜き百円より高い商品も増えている
- 百獣の王(ひゃくじゅうのおう):ライオンの異称
- 百戦錬磨(ひゃくせんれんま)
- 百日草/ヒャクニチソウ
- 百人力(ひゃくにんりき)
- 百聞は一見に如かず(ひゃくぶんはいっけんにしかず)
- 百も承知(ひゃくもしょうち)
- 百葉箱(ひゃくようばこ)
- 百花園(ひゃっかえん):観光庭園/菓子メーカー
- 百科事典(ひゃっかじてん)
- 百貨店(ひゃっかてん)
- 百足/ムカデ:足の数は種類によって決まっており、主に30~40本(15対~20対)。最多は354本(177対)らしい。
- モズ/百舌/百舌鳥
- 勇気百倍(ゆうきひゃくばい)
【200~999】
- 三百代言(さんびゃくだいげん)
- 八百屋(やおや)
- 嘘八百(うそはっぴゃく)
- 江戸八百八町(えどはっぴゃくやちょう)
- *実際の方が多かった(その数倍以上)と言う珍しい例
- 大坂八百八橋(おおさかはっぴゃくやはし)
- *坂は『土へん』
- 八百屋(やおや):青果店のこと
【1000~9999(千の単位)】
- 海千山千(うみせんやません)
- 千一夜物語(せんいちやものがたり):『千夜一夜物語』あるいは『アラビアンナイト』としても知られる物語集
- *ただし、実際は283夜で完結している
- 千貫神輿(せんがんみこし):大型の神輿の総称。
- *千貫は3,750㎏にあたるが、神輿の重さを実測する事は一般的にタブー(神様への冒瀆)とされている
- 千客万来(せんきゃくばんらい)
- 千切り(せんぎり)
- 千石船(千石船):サイズは大小様々で、積載量500石までに制限されていた時期もあるらしい
- 千載一遇(せんざいいちぐう)
- 千差万別(せんさばんべつ)
- 千社札(せんじゃふだ)
- 千秋楽(せんしゅうらく)
- 千手観音像(せんじゅかんのんぞう):通常は42本に省略して表現されるが、実際に千本(前後)を持つ例もある
- 千日手(せんにちて):将棋用語。同じ攻防が繰り返される状態になることで、対局がやり直しになる。
- 千人力(せんにんりき)
- 千年王国(せんねんおうこく)
- 千変万化(せんぺんばんか)
- 千枚田(せんまいだ)
- 千枚漬(せんまいづけ)
- 千枚通し(せんまいどおし)
- 千夜一夜物語(せんやいちやものがたり):物語集。1日1話話されたという設定で、オリジナル版は282夜分。
- 千里眼(せんりがん)
- 千両箱(せんりょうばこ):基本は文字通り千両が入るサイズ
- *五千両箱や万両箱などのバリエーションも存在した
- 千両役者(せんりょうやくしゃ)
- 千歳飴(ちとせあめ)
- 鶴は千年亀は万年(つるはせんねんかめはまんねん)
- ハリセンボン/針千本:魚類。実際の針(トゲ)の数は300本~400本の間
- マイルストーン:直訳は『千歩石』。一里塚と目的は同じだが、1マイル=約1.6㎞
- *『計画の区切りや当面の目標』の意味に派生している
- 見切り千両、損切り万両(みきりせんりょう、そんぎりまんりょう)
- ミルフィーユ:直訳は『千の葉』。クレープを層状に重ねたケーキ。
- 千六本(せんろっぽん):大根の千切り(繊切り)。中国語の『繊蘿葡/繊蘿白』から?
- 白髪三千丈(はくはつさんぜんじょう):漢詩中表現
- *約9キロメートル
【10,000~99,999,999(万の単位)】
- アルプス一万尺(あるぷすいちまんじゃく):歌
- *一万尺=およそ3,030メートル
- *歌詞の基である槍ヶ岳の標高:3,180メートル
- 準備万端(じゅんびばんたん)
- 森羅万象(しんらばんしょう)
- 万感(ばんかん)
- 万国旗(ばんこっき)
- 万国博覧会/万博(ばんこくはくらんかい/ばんぱく)
- 万歳/バンザイ:「千秋(せんず)万歳」の略
- 万策が尽きる(ばんさくがつきる)
- 万事休す(ばんじきゅうす)
- 万死に値する(ばんしにあたいする)
- 万全を期す(ばんぜんをきす)
- 万能(ばんのう) 【用例】万能選手、万能包丁、万能鍋
- 万雷の拍手(ばんらいのはくしゅ)
- 万里の長城(ばんりのちょうじょう):中国の遺跡
- *最長時の総延長は21,000㎞強と言われている
- *中国の一里は400~500mと幅がある
- 万が一/万一(まんがいち/まんいち)
- 万華鏡(まんげきょう)
- 万年(まんねん) 【用例】万年床、万年筆、万年補欠、万年雪
- 万引き(まんびき)
- 万葉集(まんようしゅう)
- 万力(まんりき)
- 万屋/萬屋/よろず屋
- 四万六千日(しまんろくせんにち):浅草寺で行われる『ほおずき市』の日に参詣する事で、普段の46000倍の御利益があると言われる。
- *一生 → 一升 → 一升分の米粒概算/126年の日数概算 → 四万六千
- 八百万の神(やおよろずのかみ)
【億~】
- 億ション(おくしょん):価格が一億円を超える高級マンション
- 億万長者:英語の100万長者(ミリオネア/millionaire)をざっくり円換算した翻訳
- 三億円事件(さんおくえんじけん):正確な被害額は2億9,430万7,500円也
- 京(けい):スーパーコンピュータ(2012~2019稼働)の名称
- *京は10の16乗
- *演算性能は10.51PFLOPS(ペタフロップス)(⬅って何だ?)
- 億劫(おっくう):元は仏教用語で非常に長い時間の表現。
- 【1劫(くう)】一辺2,000㎞四方の岩山の上に、100年に一度の間隔で天女が舞い降りる際、天女の羽衣の裾がそこに触れて摩耗するが、これを繰り返す事で岩山が消滅するまでの時間で、一説では四億三千二百万年に換算される。
- 【1億劫(おっくう)の概算例】億(100,000,000) x 劫(432,000,000年) =43,200,000,000,000,000年
- 感無量(かんむりょう):仏教(典)の『無量大数(むりょうたいすう)』に由来する
- *『無量大数』は、現存する最大の数量単位と言われており、具体的には10の68乗(あるいは 10の88乗)を表す(らしい)
【まとめ】
- ほとんどが誇張表現(特に過大が多い)
- 五桁以下で切りの良い数字、すなわち100(百)、1,000(千)、 10,000(万)にまつわる例が多い
- 仏教用語/仏教由来語のスケールが飛び抜けて大きい
- (当然だが・・・)数字が大きくなるほど、現実との乖離度合いも大きくなりがち
2024/10/14 改訂(25回目)
2022/2/19 初出
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