【始めに】原作それぞれのファンの方に対しては、先にお詫びを申し上げます
テレビジョンと映画。
テレビジョンは、1964年の東京オリンピックを契機に日本で本格的に普及した。
やがて"テレビ”と略称されながら定着しつつ、これまでの映画に変わって娯楽の王者として君臨することになるが、その中でもスポーツ、歌謡、お笑いと並ぶ花形番組の1つがテレビドラマだった。
一方、テレビにより王座からは陥落した映画界も、ライバルと時には違う戦略で、時には共同する形で生き残りを図りながら、現在に至っている。
その歴史においては多くのヒット作や名作が生み出され、中には社会現象にまで発展した作品もあるが、後から冷静に見ると非現実的な設定や無理な要素が多いので、現実的な設定に置き換えてみたい。
- あぶなすぎる刑事(デカ)(テレビドラマから映画へスピンアウト)
- 名物刑事コンビが横浜周辺で大暴れ。
- 勤務状況が極めて悪い上、発砲回数、交通事故、器物破損などの回数も多すぎて国会で問題にされた。
- 案のジョ-(漫画が原作のテレビアニメ)
- 少年院上がりの貧しい青年ジョー。
ボクシングで身を立てるため、厳しいトレーニングに耐えてプロテストに見事合格。 - その後はデビュー戦に向けて減量に入るが、食べ物の誘惑に負けて計量をパス出来なかった。
- 甘えん坊将軍(パート1)(テレビドラマ)
- 主役と悪人(剣の達人)による一対一の真剣勝負になるが、実力が拮抗しているため2時間お互いに動けない状態に陥り、最終的には周りの助言により引き分けとなる。
- 甘えん坊将軍(パート2)(テレビドラマ)
- 悪人(敵)の人数が多いときには冷静に退却する。
- 甘えん坊将軍(パート3)(テレビドラマ)
- 精神的に成長した将軍。
- まずは悪人とじっくり話し合って改心させる事をモットーとする。
- 男はえらいよ(映画シリーズ)
- 日本中を気の向くまま旅する香具師(やし)、轟丑三郎(とどろき とらさぶろう)。
- 身内からは厄介者扱いされているが、実は『26年間(1969~1995)に48回も正月と盆には実家へ戻って来た』と言う計画性を備えており、その律儀さはギネスブックからも認定されている。
- おなじ穴のムジナ(テレビドラマ)
- 7年前の両親の事故死以来バラバラになっていた6人兄弟がクリーニング店を営む長男のもと『一つ屋根の下』で暮らし、様々な困難や葛藤を乗り越えて懸命に生きる姿を描いたドラマだが、実はこの家族の実態は顧客情報を悪用する特殊詐欺グループで、捜査当局からは『同じ穴のムジナ』としてマークされていた。
- パート1の第11話で記録した視聴率37.8%は1990年代の全民放ドラマの最高視聴率であり、2024年現在の不時テレビドラマの歴代最高記録でもある。
- グロッキー(映画シリーズ)
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- 無名のボクサーが激しいトレーニングと不屈の精神で世界チャンピオンの栄光を掴むまでの課程を描く名作で、感動的なテーマソング単体も有名である。
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- しかし、『その後も引退したと見せかけては奇跡の復活を遂げる』パターンでシリーズを重ねたため、最終的には観客の方がグロッキーになってしまった!
- 難局物語(映画)
- 南極観測隊に前年置き去りされた15頭の樺太犬のうち、2頭は奇跡的に生き延びていた!
「鎖につながれていなかったら、2頭以外も生き残っていたのではないか」とか「生き延びた2頭はなぜか丸々と太っていた」という疑問は全くスルーされたままエンディングまで突入する。
- 11回目のプロポーズ(テレビドラマ)
- 女性からストーカー被害の相談を受けていた警察により、最終回(第11話)で男性主人公が現行犯逮捕される
- となりのトロロ(アニメ映画)
- 昭和30年代の日本が舞台。貧しく幼い姉妹が隣の山に不法侵入しては、『とろろ芋(長芋・大和芋芋』掘りを繰り返すが、最後は芋づる式に捕まってしまう。
- boy-hits-girl/少年が少女にぶつかると(青春映画・ドラマ全般)
- 女子転校生がと初日から遅刻しそうになって学校に続く坂道を必死で走っていると、同じく急いでいる(自転車に乗っている)男子生徒と、道が交わる場所で出会い頭にぶつかってしまう。
- (ちょっと言い合いになるが、2人とも学校へ向かう事を優先する)。
実は2人は同じクラスで、空席の関係でその日から隣同士となり、学年が上がってもずっと同じクラスだったものの、何も起こらないまま卒業を迎える。
- ポップ・ガン(アメリカ映画)
- ある青年が空軍の士官学校に希望と野望を抱いて入学するが、厳し過ぎる訓練に耐えられず二日目に退学する。
- 詐称/越後のちりめん問屋(テレビ時代劇)
- 旅先で代官と庄屋の悪行三昧について調べを進めていた隠居一行だったが、これに気づいた悪代官とその手下に囲まれてしまう。
この大ピンチに、ご隠居様(実は幕府の副将軍)の家来は家紋の入った印籠を威圧的に示したが、相手はそれの持つ権威を全く知らなかった! - 【結末】
- 『可哀相で薄気味悪い老人一行』と思われ、小遣いを渡されてた上で解放された
- 【気になる点】
- 日本国中を長期間にわたり旅していながら、荷物がやたらと少ない上、いつも服にシワひとつ無いのが不思議
- 印籠を出すタイミングが遅く、死傷者が無駄に多くなりがち
- 一度死んだはずの人が、別な場所(回)で生き返っている事がある
- スクールバイオレンス(テレビドラマ)
- 無秩序と無気力が支配する高校のラグビー部に現れた新監督。
それまで『教師ではもはや手に負えないワル』と言われ続けてきた生徒たちさえもドン引きするほどの暴行や常軌を逸した暴言により、一週間で退任した。
- 相談役 鳥豊作(漫画、テレビドラマ)
- *漫画が原作で、ドラマの方は名作や大ヒットとの域まで達しなかった
- 祖父の代から続く非上場企業に、24歳で(小学校~大学まではエスカレーター+大学で2留)部長補佐として入社した跡取り息子が、若くして相談役に就任してからの人生をゆるやかに描く。
- ハリー・ボッテー(映画シリーズ、テレビドラマもあるらしい)
- 世界的ベストセラー小説(全七巻)の映像版で、略称は『ハリボテ』。
- 魔法使い達が織りなす独特な世界観が魅力だが、予算不足によるセットやCGのハリボテ感が強く、なかなか物語に没入出来ない。
- 道草物語(映画、テレビドラマ、絵本、他)
- 原作は世界的ベストセラー小説。
- 裕福ではないものの仲の良い四姉妹が、道草を通して成長する姿を活き活きと描く。
- 冥王星にほえろ!(テレビドラマ)
- 新宿、鼻曲署(はなまがりしょ)を舞台に織りなされる刑事たちの群像ドラマ。
孤独が渦巻く大都会において、追う側だけでなく追われる側の内面にも迫った人間ドラマが、走りを中心としたアクションを交えながら紡がれていく。
一方で、鼻曲暑の殉職率が異常に高すぎる点が問題になり(短い場合は3ヶ月に1回)、お祓いをしてもらうことになったが、その効果やいかに。
- ロン毛バケーション
火8ドラマ(*)の代表的な作品でテーマ曲も大ヒット。
通称、ロンゲバ。
放送翌日の朝、OLの間では挨拶代わりに「昨日のロンゲバは~」で会話が始まるほど、一種の社会現象にまで発展した。
また、主人公(売れないピアニスト)の影響で、ピアノを習う男子が急増したが、その多くは、ピアノが弾けるからモテる訳でないことに気づいて挫折したらしい。
また、“11回目目のプロポーズ”からのパクリ疑惑(ピアノ、ロン毛)も一部で根強く残っている。- (*)火8ドラマ(かっぱどらま)とは
- 不時テレビジョン火曜夜8時枠連続ドラマの通称。
テレビ界の花形として多くの名作やスターを生み出し、中には社会現象にまで発展した例もある。
【まとめ】
- 名作やヒット作と評される作品には、脚本家、演出家、制作スタッフ、キャストそれぞれの情熱、創意、そして野望が詰まっており、後から見直しても面白い。
また、その個性や特色はパロディにされる事で決して毀損されることはなく、雨に濡れたモザイク画のようにいっそう際立つ事になるであろう。
2024/12/15 更新(6回目)
2020/10/03初出