現在の日本で生活していると、毎日膨大な情報が言葉や文字として入ってくるが、その多くがマーケティングの手法に基づき言い換えされている。
それらのうちから、言い換えのバリエーションが多い例をいくつか挙げてみたい。
【酸化水素】
- 水、氷、湯、雨、雪、つらら、雲、靄、霧、蒸気/水蒸気、スチーム、湿気、ジメジメ、エイチツーオー/H2O
【電磁波】
- 光、光線、明かり、IH、電磁波、電波(短波、長波、AM、FM、低周波)、電子(レンジ)、 遠赤外線、赤外線、紫外線、X線、γ(ガンマ)線、放射線、○○Ray、ビーム、虹(色)
【菌類】
- バクテリア、××菌(ばい菌、細菌、雑菌、悪玉菌、善玉菌)、キノコ、カビ、麹(こうじカビ)、酵母、イースト、微生物(の一部)、分解者
【極めて科学的だが不安を呼び起こす文例】
- <酸化水素>に<グルコース>の代用品である<サッカロース>を溶解して<カルタミン>で着色したものを誤って服に沈着させてしまった
- <用語解説>
- ・二酸化水素:いわゆる"水"
- ・グルコース:ブドウ糖
・サッカロース(あるいはスクロース):蔗糖←いわゆる砂糖
・カルタミン:紅花色素(の主成分)
- <普通に表現すると・・・>
- 紅花サイダーを服にこぼして出来たシミが取れなくなっちゃった
【結論】
- 一つひとつの言葉、モノ、現象、出来事、人物など、ほとんどの全ては、見る角度を変えることによって肯定、否定、安心、不安、期待、心配などの面を強調する事が出来る。
- 必ずしも消費者を欺いたり、都合の悪い面を隠す意図はないが、マーケティングの本質は言葉の言い換えによるイメージ戦略であると考えて間違いないであろう。
2020/12/24更新
2020/9/5初出