ことわざや慣用表現。
状況や心境を端的に表現する為に使われ、何かを決断したり納得する際の後押しとなる知恵の結晶と言えるが、よく見ると矛盾や逆の意味に転じている例も多いのでまとめてみたい。
【表示ルール】
- ①五十音順
- ②対義表現を矢印(⇔)の左右に分けて記載
ア行)
- 諦めが肝心 ⇔ 諦めたら終わり
- 悪銭身につかず ⇔ 金は天下の回りもの
- 朝飯前(の仕事) ⇔ 腹が減っては戦(いくさ)はできぬ
- 羮(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く ⇔ 喉元過ぎれば熱さを忘れる
- 後は野となれ山となれ ⇔ 立つ鳥跡を濁さず
- 虻蜂(あぶはち)取らず、二兎を追う者は一兎をも得ず ⇔ 一石二鳥、一挙両得
- 医者の不養生、紺屋の白袴 ⇔ 餅は餅屋
- 急がば回れ、ウサギとカメ、後悔先に立たず、転ばぬ先の杖、急いては事をし損じる、待てば海路の日和あり ⇔ 思い立ったが吉日、先手必勝、善は急げ
- 一石二鳥、一挙両得 ⇔ 虻蜂(あぶはち)取らず、二兎を追う者は一兎をも得ず
- 一を聞いて十を知る ⇔ 百聞は一見にしかず
- 烏合の衆、船頭多くして船山に上る ⇔ 三人寄れば文殊の知恵、三本の矢(の教え)
- 嘘つきは泥棒の始まり ⇔ 嘘から出た実(まこと)、嘘も方便
- 老いては子に従え ⇔ 亀の甲より年の功
- 帯に短したすきに長し、過ぎたるは及ばざるが如し ⇔ 大は小を兼ねる
- 音信不通 ⇔ 便りがないのは良い便り
カ行)
- 河童の川流れ、弘法(に)も筆の誤り、猿も木から落ちる、上手の手から水が漏れる ⇔ 下手な鉄砲も数打ちゃ当たる
- 果報は寝て待て ⇔ 早起きは三文の得
- 蛙の子は蛙 ⇔ 鳶が鷹を生む
- 画竜点睛を欠く ⇔ 蛇足(だそく)
- 夏炉冬扇(かろとうせん) ⇔ (頂く物は)夏も小袖
- 枯れ木も山の賑わい ⇔ 年寄りの冷や水
- *完全な対義ではない
- 君子危うきに近寄らず、触らぬ神に祟りなし ⇔ 虎穴に入らずんば虎子を得ず
- 君子豹変/君子は豹変す、朝令暮改、臨機応変 ⇔ 継続は力なり、点滴岩を穿つ
- 鶏頭となるも牛後となるなかれ ⇔ 寄らば大樹の陰
- 弘法筆を選ばず ⇔ 弘法も筆の誤り、馬子にも衣装
サ行)
- 才色兼備 ⇔ 天は二物を与えず
- 三度目の正直 ⇔ 二度あることは三度ある
- 七転八倒 ⇔ 七転び八起き
- 朱に交われば赤くなる ⇔ 泥中の蓮、和して同ぜず
- 心機一転 ⇔ 後悔先に立たず、覆水盆に返らず
- 好きこそ物の上手なれ ⇔ 下手の横好き
- 過ぎたるは及ばざるが如し ⇔ 帯に短したすきに長し ⇔ 大は小を兼ねる
- 栴檀(せんだん)は双葉より芳し、大器の片鱗 ⇔ 大器晩成
タ行)
- 地位が人を作る ⇔ 適材適所
ナ行)
- 人間万事塞翁が馬 ⇔ はじめ良ければすべて良し
ハ行)
- 人の口に戸は立てられぬ ⇔ 人の噂も七十五日(しちじゅうごにち)
- 人を見たら泥棒と思え ⇔ 渡る世間に鬼はなし
【その他(本来とは逆の意味に転じていたり転じかけている表現)】
- 犬も歩けば棒に当たる:本来は、「余計な行動をすると痛い目に会う」と言うネガティブな意
- 白羽の矢が立つ:本来は、「生贄(いけにえ)に指定される」と言うネガティブな意
- 住めば都: 本来は「住まば都」、すなわち「都での生活が最高!」と言う差別的な意
- 塵も積もれば山となる:本来は「面倒な事を放っておくと、それらが溜まって動かす(片付ける)のが難しくなる」と言うネガティブな意
- 情けは人のためならず:本来は「他人に優しくすると、巡り巡って自分が優しくしてもらえる」と言うポジティブな意
【まとめ】
- タイミングやチャンスに関する表現が多い
- 矛盾だらけではあるが、いずれも先人達の知恵や経験から抽出された人智のエッセンスなので、状況やタイミングに応じ『良いとこ取り』しながら使い分けるのが吉
2023/9/23 改訂(8回目)
2023/6/17 初出
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