香港/ホンコン。
グルメ、書籍、映画、明星(ミンシン=スター)等を通じて香港の文化や風習に詳しい日本人も多いが、「何でそうなのか?」まで考える機会は少ないかも知れない。
筆者は香港在住経験(1998~2000)を基に、独特だと感じる文化や風習をその起源(推測や仮説を含む)について考えてみたので、紹介します。
- 粥:少ない米で満腹感を得るための工夫。
- *米と水の割合は1:10が基本(つまりかなりの水増し)
- *現在では具材も多様化したり、ヘルシーさが前面に出たりしている
- ご飯(米飯)を食べる時茶碗をカチャカチャ鳴らす
- *米の飯を(充分)食べていることを周りにアピールするため(と聞いたことがある)
- 魚を食べるときひっくり返さない(大きな魚の下の身は箸でほじくるようにして食べる)
- *魚を裏返すのは船の転覆を連想させるので縁起が悪い
- 釣り銭を投げてよこす(よこしたらしい)
- *金属音を出すことにより、ごまかしていない事を示すため(らしい)
- 洗杯(センプイ):外食の前に食器をお茶やお湯でゆすぐ
- *食器の洗い方が不十分(特に屋台などで)
- *茶葉自体も汚れていたので、一杯目は飲まなかった?
- *高級店でやると失礼だが、習慣化している場合も多い模様
- 公共バスに冬(10℃を切る事がある)でも冷房が効いている(いた)
- <背景>2000年当時は『冷房なし』と『冷房付き』の車両が混在していたが、『冷房付き』の方は『冷房代』として運賃が割り増しになっていた為、冬でも冷房を止め(られ)なかった
- バーベキュー:各自が一本ずつ串を持ち食べる分だけ自分で焼く
- *自分の権利を他人は守ってくれない自覚?
- 鍋物(火鍋)のスープは飲まない
- *野菜類の汚れや農薬、虫、寄生虫の卵、食品添加物などが溶け出しているのを嫌ったためだと思われる
- 夜間に一人で外出しなければならない時は、強盗などに遭った場合に備え、赤い(紅い)物(縁起が良い)を持ち歩いたり身に着ける事が推奨されていた
- *具体的には100元札(赤インク主体で印刷されている)をすぐ出せるよう持ち歩いたり、赤い下着をつけること
- 映画撮影で台本が出演者に配られなかった。
- *台本を配ると盗作や転売されて、逆にそちらの方が早く公開されてしまう恐れがあった
- *セリフは基本的に監督からシーン毎に口伝え(台本が渡される場合も当日分のページだけでその日のうちに回収)のため、主演俳優でさえ作品が公開されてから内容を知ることが多かったらしい。
- 搭乗日未指定の航空券(オープンチケット)を家族分買っておく
- *有事の際にすぐ脱出出来るようにするため
- *一定以上の資産や収入がある人のみ
【まとめ】
- 香港が全体的に貧しかった時代に生まれたり根付いたりしたと思われる。
- 具体的には貧困層が厚く、犯罪、病気、怪我、事故が多発していた1842年(イギリス植民地時代の始まり)から1980年代前半(香港人の資本家も強大になって来た)まで。
2024/3/24 更新(4回目)
2020/9/5 初出